香川の雑煮は甘い、という話

豊かなくらし
豊かなくらし

明けましておめでとうございます。河白です。

毎年正月は地元の香川県に帰省しています。

正月に食べるものといえばお雑煮。お雑煮は地域色が最も出やすい料理だとぼくは思います。

お雑煮に入れる餅の形も地域によって違っており、一般的に関東では角餅、関西では丸餅が食べられているそうです。

香川県は関西なので丸餅なのはば丸餅ですが、角餅か丸餅かの2択に斜め上からぶっこんでくるような第三の餅・・・「餡餅」が使われます。

餡餅は御存知の通り、あんこが入った餅です。

1月2日の朝、我が家のお雑煮です。

いつもは白味噌雑煮ですが、今朝はすまし汁のお雑煮でした。

牡蠣の上品なダシの効いたお雑煮。

牡蠣が入っていてもお構いなしに、これを餡餅でぐっちゃぐちゃにします。

これを…

こうじゃ!

「香川のお雑煮では餡餅を使う」ということを県外の人に言うと、かなり怪訝な顔をされます。

ぼくも冷静に考えると、お雑煮に餡餅は合わないと思います。思いますが、もう”正月の味”として脳が記憶してしまってるんですよね。
普段の生活の中で白味噌汁やお吸い物が出ても、「餡餅入れてぇなぁ」とは全くなりません。
正月のお雑煮に対してだけ、この味が無性に恋しくなるのです。

江戸時代、香川県は砂糖の産地として藩の厳しい管理の元作られていました。今でも「和三盆」は有名ですよね。

普段は食べれない砂糖を、せめて正月くらいは食べたいとあんこを餅にくるんで隠しながら作ったお雑煮・・・これが餡餅雑煮の由来です。
当時も、「まさか雑煮に甘い餅を入れるわけがない」と役人の目を逃れていたそうです。

餡餅雑煮は甘いものを食べたい一心で作られたものです。

何でも手に入って食べられる現代にはミスマッチな代物ですが、正月にこの味が恋しくなるのはぼくの中に農民根性というか、そういうものが江戸時代から遺伝子レベルで刷り込まれているんじゃないかと感じざるを得ません。

白餅のお雑煮も食べたことがありますが、何か足りない気がします。
やっぱお雑煮は甘くなくちゃ。

・・・ということで、「香川の雑煮は甘い」という話でした。
気になる方はぜひ試してみてください。

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