TCHは「Tooth Contacting Habit」の略で、要は”噛み締め・食いしばり”というやつ。
通常であれば上の歯と下の歯の間に隙間があるのですが、ストレスなどが原因で常に噛み締めてしまう状態を指すそうです。
は?
いやいやちょっとまってくれ。
通常は上の歯と下の歯の間に隙間があるってことは
通常は上の歯と下の歯の間に隙間があるってこと!?
いやはや、歯が噛み合っている状態が普通だと思っていました。どうやらぼくはTCHのようです。しかも30年間。
てかこういうのって親がキチンと教えるものなんですかね。わかりませんけど、少なくともうちの親は口の中の形なんて何も教えてくれませんでした。
調べてみると、本能的に隙間のある状態に落ち着くらしく、一時のストレスなどでTCHが発症するっぽい。
噛み締め状態が普通だと勘違いしていた、という人の情報がなかったので、ぼくみたいな人はごく少数なんでしょう。
厳密に言うと、噛み締めているというより口の中の空間をなくした状態がぼくの通常時でした。
ぼくは歯医者でよく「舌が大きい」と言われてきたのですが、よくよく考えると口腔内が真空状態になって舌が膨らみ、肥大化したんだと思います。チ◯コを大きくする怪しいグッズと同じ原理で。
さらにTCHの副作用として「肩こり」と「口腔内の骨の突出」があります。まさに最近肩こりに悩まされていて、鏡を見ると確かに骨が突出してます。完全にTCHじゃん、これ。
さらに言えば、舌に力が常に入ってないから喉付近の筋肉が衰えて二重顎気味になってるし、さらにさらに言えば唾液の分泌が促されないから口内がガッサガサ。今まで舌を噛んで唾液を出して口の中を潤してきました。普通こんなことせんよな。
ということで自力矯正をはじめました。矯正といっても常に噛み締めないよう意識するだけです。初めの方は気がつくといつの間にか噛み締めているということが多かったですが、最近は慣れてきて寝ている時以外は離れるようになりました。寝てる時は意識のしようがないのでしょうがないですね。専用のマウスピースがあるらしいですが、今は歯の矯正中なので使うことができません。
とはいえ、日中歯が離れているだけでアゴがすげえ楽で、人類の大多数はこんな感じで過ごしていたのかと軽く感動しました。唾液も出るわ出るわ。
そういえば、似たようなことがあったなと思い出したのが、箸の持ち方です。
成人してから親に「あんた箸の持ち方おかしいやん!しつこく教えてきた思ってたのに」と言われました。
いや小さい頃からこの持ち方やし、しつこく教えられた記憶はありません。ただ単に教えてきたつもりなだけなのか、自分が聞き流していただけなのか。たぶん後者です。
ぼくの箸の持ち方は、中指と薬指で下を支えて2本の指で上の箸を操作しているというものです。
普通は中指で上の箸を持ち上げている形になるため、開くと2本の箸は平行になります。しかしぼくの持ち方だと、開くと「>(だいなり)」のような形になります。”ダメな箸の持ち方”の代表例である、開くと箸がクロスする持ち方の完成です。
親に指摘されるまでの数十年間、誰にも言われたことなかったです。実はそんなに他人の箸の持ち方なんて気にしてないものなのかもしれません。いや、ただ単に一種の優しさで見逃されてきただけなのか・・・。
なぜこの持ち方になったのかは、自分なりに考えて答えははっきりしてます。
ぼくはそもそも、ペンの持ち方がおかしかったのです。
普通、ペンを持つときは3本の指を使いますが、なぜかぼくは4本の指で持っていました。
これだと大きく文字や絵を書くことができないし、筆圧もゴリゴリに強くなります。現に、長時間筆記を続けると指が痛くなっていました。ちなみに、これに気づいたのは数年前で、今では矯正済みです。
さて、ペンの持ち方と箸の持ち方がどう関係しているのかというと。
箸の持ち方を教わる際、まあいろんな教え方があると思いますが、ぼくの場合は「1本目をペンを持つようにして持って、もう2本目を指の隙間に差し込む」というふうに教わりました。
上のペンの画像でいうと、左の持ち方だと親指と人差し指の間の輪っか、つまり、1本目の箸の下に2本目を通して薬指に乗せるんだな、ということがわかります。しかし、ぼくは何を勘違いしたのか、1本目の箸の下に通すのではなく上に通すことによって、珍妙な箸の持ち方を習得したのです。
もし、正しいペンの持ち方をしていたならば、「2本目を指の隙間に差し込む」というのは、「1本目の箸の下の隙間に差し込む」ことだと容易に理解できたでしょう。同じ要領でぼくのペンの持ち方に落とし込むと、2本目の箸は小指だけで支えることになり明らかに間違っています。なので、下ではなく上に差し込んで対応したのではないかと。
さて、この箸の持ち方は大きなデメリットがあります。それは、細かいものをつまむことができない、ということです。
正しい持ち方であれば、閉じたときに「<」という形になるため、いわば「点でつまむ」という操作が可能になります。一方、ぼくの持ち方は閉じたときに「=」という形になる「辺でつまむ」操作になってしまい、例えば豆やひじきのような食べ物に対してめっきり弱くなってしまいます。
明らかに不便ではあるものの、実はぼく自身は結構この持ち方は気に入ってます。
なぜならうどんを食べるときに関しては、今の持ち方が「最適解」だからです。
正しく箸を扱う皆さんは、うどんを食べる時に麺が箸を滑って持ちにくい、という経験をしたことがありますよね。
ぼくはありません。
なぜなら、ぼくの持ち方だと「点でつまむ」のではなく「辺でつまむ」ようになるため、安定して麺を挟むことができるからです。
体感で常人の2倍位の麺を一度に口に運ぶことができます。うどんのコシをより大きく感じることができるし、何より早く食べ終わることができるため、製麺所ビリティーであるといえます。
とはいえ、香川県からでてからはうどん以外を食べる機会のほうが多くなったので、さすがに矯正しなきゃなとは薄々感じてます。いい齢だし。
以上、河白でした。
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